ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー ( Sugisaki )

●動物訓練における「集中力」と「自信をつける」とは?
   *行動分析学的理解

「集中力」とは・・・?

 行動分析学の世界では、有機体の行動をすべて「刺激性制御」で論じるため、「集中力」の概念は論じない。 「集中力」とは、以下の操作により訓練者が作り出すもので、動因操作、誘発因操作や刺激によって円滑な行動自発が行われる状態のことである。被練体自体に集中力発揮を求めるものではない。

  @条件付けの強化
  A動因操作、誘発因操作(体重減、体脂肪減)
  B弁別刺激強度の操作、誘発刺激の強度操作(合図)
  C強化刺激の強度操作(餌の量、質など)

  D環境刺激の操作(環境の選択、刺激回避、刺激除去)

  
「自信をつける」とは・・・?

 行動分析学の世界では、やはり、有機体の行動をすべて「刺激性制御」で論じるため、「自信」の概念は論じない。
 「自信をつける」とは、以下の操作によって躊躇することなく行われる「円滑な行動形成」のことである。
 被訓練体に自主的自信獲得を求めるものではない。

  @条件付けの強化(条件付け操作の繰り返し)
  Aスモールステップ課題の作成と実施、査定、修正
     *失敗体験回避
     *成功体験、大成功体験の設定
  B課題達成後の適切な強度の強化刺激の提供

*「刺激性制御」とは、「刺激による行動コントロール」のことである。
 
「有機体(動物・人間)」の行動すべては、有機体の「自由意志」によってなされているのではなく、環境からの刺激によって、誘発され、自発を操作されているという考え。
  「行動分析学的世界観、行動分析学的哲学」と言えよう。