ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー ( Sugisaki )

「ハヤブサの飛行行動とその意味」論説
  

1)ハヤブサのスタート
  @スタートの際のハヤブサの目の動き
    逃飛鳩トレーニングを行っているハヤブサは、フードを外した後すぐに上空を見る。空を
   弁別刺激に上空へ向かって即座に飛び立つ。即座に飛び立たない場合は、体脂肪があるか
   体重が高く、あまり鳩を求めていない傾向がある。ロストの注意が必要である。

    ルアー・トレーニング中のハヤブサは、スタート時にフィスト上で、飛び立つためのターゲット
   (動く鳥、動物)を探す傾向がある。しかし、からかうだけのターゲットである。
    

  Aフィストからのスタートの切り方
    フードを外した後のスタートが早いハヤブサは、逃飛鳩トレーニングを行ったハヤブサである。
   鳩への猟欲がスタートを早める。また、逃飛鳩トレーニングを行っているハヤブサは、即時に
   上昇することを学習しているためにスタートが早くなる。即時に上昇しないと鳩が獲れないと
   学習しているためである。

    ルアー・トレーニング中のハヤブサは、スタートが遅い傾向がある。ルアーは、逃飛しない
   からである。

2)天気によるハヤブサの行動への影響
  @風の強い日
     ハヤブサは低空を飛び、流されるのを回避しようとする。更に風がないところを探しながら、
    ファルコナーへ回帰しようとする。遮蔽物や地面の起伏の裏側は無風か逆風になっている
    ので入ろうとする。
     1年目の若鳥は、風に流されやすいので、強風時はフライトは避ける。

  A風のない日
     ハヤブサが自力で上がろうとしているか否かがよくわかる。また体力・筋力があるか否かも
    よくわかる。

  B天気の良い暖かい日
    
このような日は、ハヤブサの怠け心をくすぐる。ハヤブサは、風下へと行き、上昇気流を
   探す。上昇気流を発見するとその場所で上昇し、飛行性好子を得て上昇を止めず、さらに
   風下へと流され、ロストの危険性がある。
    ロストを回避するには、コントロール不可能になる前にコールすることである。
    鉄塔、大きな建物、大木、土手、山などは上昇気流をつくるので、ハヤブサはそれらの方向へ
   向かう傾向がある。

3)風上で上昇するハヤブサと風下で上昇するハヤブサ
  @風上でマウンティングするハヤブサ
    このようなハヤブサは、逃飛鳩トレーニングが上手くいっているハヤブサである。いち早く上昇し
   ストゥープ体制に入ろうとしているのである。

  A風下でマウンティングするハヤブサ
    このようなハヤブサは、一端スタート後には風上へ行き、少々の高度をとってから風下へ行き、
   上昇を始める。そして上昇後にファルコナー頭上上空へと向かう。上空待機に至るまで時間が
   かかるので、風下で上昇をはじめたら、その時点で逃飛鳩をサーブし風下での上昇では、
   鳩を獲得できないことを教える。