ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー( Sugisaki )

「攻撃性好子」

 通常、好子(強化子)というと「餌」のことを示すが、鳥が獲物に対して攻撃すること自体も鳥に強度の快楽(快感)をもたらす。この攻撃行動によってもたらされる快感を「攻撃性好子(攻撃性強化子)」と呼ぶ。
 であるから、鳥が生きた獲物を掴んだ後、即座に掴んだ餌を別の餌にすり替えてしまうことは、高い強度の好子を奪ってしまうことになるので、生きた獲物を掴む行動を学習させる場合、有効ではない。この行動を学習させる場合、鳥に獲物を攻撃する(殺傷する)快感を充分に与える必要がある。

「飛行性好子」

 私が考え出した概念(造語)であるが、この概念を取り入れると理解しやすい行動がある。
 「飛行性好子」とは、飛行行動自体がもたらす快楽(快感)であり、特に「上昇気流」など飛行を助長する物理的条件が存在する場合に出現する。
 特にハヤブサの場合、体重が適切な状態であるにも関わらず、「サーマル(上昇気流)」を使って上昇し、ファルコナー頭上に戻る気配もなく、レイクアウェイ(風に流されて)してしまうことが多々ある。通常、ハヤブサは上昇後、餌(好子)を求めてファルコナー頭上に戻るのであるが、上昇気流による飛行行動自体が好子になってしまいうと、それによってファルコナーがもつ餌の好子性が隠蔽(凌駕)されてしまう。ハヤブサにとって、上昇気流によって上昇飛行すること自体が好子となれば、ハヤブサが飛行性好子に飽きたり、疲労するまで上昇行動は持続することになる。
 であるから、上昇気流を使って上昇しようとするハヤブサはレイクアウェイに注意しなければならないし、レイクアウェイさせないためには、ハヤブサが上昇気流を使い始めたらコールするか、自力上昇(セルフ・マウンティング)を行うハヤブサを作る必要がある。