ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー ( Sugisaki )

「なぜ、飼育下の猛禽類ペアは、殺し合いをすることがあるのか」行動分析学的論説

 元々、自然界の生物は個体保存のための攻撃性をもつ。しかし、生後のインプリンティングによって同種への認識を得て攻撃性が抑制されたり、フード・プレゼンテーションによってペア同士の攻撃性が抑制される。しかし、飼育下の限られた環境下では、上記の「攻撃性抑制因子」が攻撃性を抑制しきれず、攻撃性が同種へ向けられることがある。
 
攻撃性抑制因子(攻撃性を抑制する要素)
  @インプリンティング
  Aフード・プレゼンテーション
、 B逃避可能な環境


「ハヤブサと比べて、なぜ飼育下のオオタカの雌は雄に攻撃性を向けてしまい易いのか・・・?」

  主に種の性質の違いが原因となる。
   ・ハヤブサの場合: ある刺激に対して、嫌悪反射と好反射を同時に生起しうるので、
               攻撃行動が制止される傾向がある。
   ・オオタカの場合 : ある刺激に対して、嫌悪反射と好反射を同時に生起しにくいので、
               攻撃行動が制止されない傾向がある。


「飼育下の猛禽類の殺し合いを防ぐ方法は・・・・?」

 @雄が雌から隠れたり、逃げたりできるように小屋の構造(飼育環境)を工夫する。
 A雌に対して、年上の雄をペアリングする。