ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー( Sugisaki )

[ペリット(キャスティング)]

 ペリットとは、猛禽類が獲物の毛・羽毛や骨を肉片と共に摂取し、消化せずに吐き戻した物体。
 ワシタカ、ハヤブサ類は、ペリットを「そのう(Crop )」内で作る。フクロウ類は、「そのう」がないので、胃袋( Gizzard )でペリットを作り、骨をほとんど消化せず原型のまま吐き戻す。
 通常、餌摂取から12時間以上経ってから吐き戻し行動が起こる。
 ペリットには、そのうや胃袋内を掃除する役割がある。

 ペリットを吐く理由は、おそらく、野生界では自己防衛・危険回避のため、人間のように食物として摂取するに適した部分を丁寧に時間をかけて食すことができずに、短時間に一気に摂取しなければならないからであろう。特にフクロウの場合は、夜行性で危険を回避するために、更に短時間の摂取が要求されるので、獲物を丸ごと呑み込む習性を獲得したのであろう。


「ペリットの状態で解る鳥の状態」

  ●ペリットが摂取した「餌の毛、羽毛の色」をしている場合
      → 健康状態

  ●ペリットに「肉片が混ざっている」状態
      → ペリットを吐く前に給餌がなされた場合
         ペリットがそのう内を掃除することができず、汚れを残してしまい、良い状態で
        はないので連続給餌は止めなければならない。換羽促進のための連続給餌の
        際に起こることがある。

  ●ペリットが「緑色」を帯びている場合
      → 空腹状態。訓練の際、良いレスポンスが得られる状態。


  ●ペリットが「溶けている」場合
      → 水分を多く含む餌を摂取した場合。
         または、疾病状態。


「ペリットと体重計測」
  体重計測は、ペリットを吐き戻した後に行われるべきである。


「規則的時刻にペリットを吐かせるには・・・・」
  十分なラフィッジ(獣毛、羽毛)の摂取と規則的な訓練時間、給餌時間が必要条件である。
  訓練初期には、フードを被せたままの状態が続くので、ペリットを作らせないためにラフィッジを摂取させない工夫をする。