ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー(Sugisaki)

[据え上げ法]


ルアーの場合

@ルアーには親指ほどの少量の肉片を装着する。「大きな餌」を付けると、確保し安全な場所で食そうと「持ち逃げ(キャリング)」する傾向がある。

Aルアー・ラインは、ペグで地面に固定して、持ち逃げできないようにする。ペグしたラインは可能な限り短い方
がよい。

B鳥がルアーに飛びかかったら、しばらく静観し、鳥がルアーに付いた肉片を食し始めたら、鳥に向かって斜め左方向から上体をを低くしながら接近する。鳥が顔を上げて訓練者の接近を嫌がったら、接近を一時中止し、再び食し始めたら、接近を再開する。
 鳥が持ち逃げしようとしたら、訓練者は接近を中止して、鳥が落ち着いて再び食し始めるまで待つ。食し始めたら接近を再開する。

C鳥に十分に接近したら、ルアーに付いた餌よりも大きめの餌をグラブに取り、鳥の足下へグラブをすり寄せていく。

D鳥がグラブの餌をついばみ始めたら、鳥の腹部にグラブを押しつける。すると鳥はルアーを離してグラブにス
テップ・アップしてくる。ルアーを離さない場合はルアーごと鳥を据え上げ、餌を食させながら、ゆっくり鳥の足をルアーから外す。


●生き餌の場合

@生餌を地面にペグで固定する。初めは、生餌が上手く羽ばたけないように翼を紐で固定すると、鳥が躊躇なく飛びかかる。

A訓練者が鳥を拳に据え、地面に固定した鳥に近付いていく。鳥が飛びかからないようであれば、十分に接近する。それでも飛びかからないようであれば、訓練者が生餌の胸部を剥いて肉肌を鳥に見せたり、胸部を切開して血液を見せる。それでも飛びかからないようであれば、体重減が必要となる。

B鳥が生餌に飛びかかったら、鳥が生餌の羽を抜き(プラック)始めるまで、訓練者は上体を低くして待つ。鳥がプラックし始めたら、訓練者は鳥の左斜め前からゆっくり接近する。訓練者の接近を嫌がり、プラックを中止したら、接近も中止する。プラックを再開したら、接近を再開する。
 鳥が持ち逃げしようとしたら、訓練者は接近を中止して、鳥が落ち着いて再び食し始めるまで待つ。食し始めたら接近を再開する。

Cハヤブサの場合、嘴で獲物の頸椎を折り絶命させてから首から上部を食し始める。ワシタカ類の場合はそのまま獲物の胸元から食し始める。
 *接近後の「据え上げ」のタイミング
  ○ハヤブサの場合、獲物の首から上部を食し終わった後。
  ○ワシタカ、ノスリ類の場合、訓練者が獲物を絶命させたのち、鳥がある程度の量を食し、興奮がおさまった後。

D鳥の興奮がおさまったら、グラブに大きめの餌を取り、掴んでいる獲物を隠すようにグラブを鳥の足下へ近づけていく。鳥がグラブの餌に気がつき、ついばみ始めたら、グラブを鳥の腹部に押しつけ、グラブにステップ・アップさせる。そして、獲物とグラブの餌をすり替える。掴んだ獲物は、すり替えた餌を食させながら、ゆっくりと外す。
  和式の場合、獲物ごとエガケにとり、据え上げ、拳上で餌のすり替えを行う。