ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー( Sugisaki )

傷病野生猛禽類リハビリテーション・マニュアル (作成途中・・・・)

鳥が保護される原因
 1)病気
 2)怪我
 3)狩猟不得手による空腹衰弱
 4)過酷な天候による空腹衰弱
 5)雛の巣からの離脱


 *上記理由により病院には届けられるが、自然界では淘汰されるべき個体とも考えられる。
  淘汰されうる個体であるからこそ放鳥する場合には、リハビリ・トレーニングが必要不可欠である。

リハビリの目的
  自然界で飛行技術や狩猟技術を使って獲物を追跡し獲得できるように、体力・筋力を回復・増強させたり、飛行技術・獲得技術の回復・獲得・開発を行う。
 (自然淘汰の網にかかる鳥の場合、飛行技術や獲得技術や注意力が劣る場合が多いので、狩猟能力開発へ向けての訓練が必要がある。)

リハビリへの見極め
 1)放鳥不可能、その後、小屋で観察飼育する。
 2)放鳥不可能、その後、教育プログラム等への参加が見込まれる。
 3)放鳥可能であり、放鳥へ向けて訓練を行う。

リハビリの種類
 1)小屋内での自由飛行
   比較的軽度のリハビリに使われるが、飛行リハビリに必要な広さをもつ小屋は僅少である。
   小さな小屋内での飼育の場合、速筋を付けることはある程度できそうだが、持久筋(遅筋)を付けることは困難である。(小さな小屋では有酸素運動の機会を与えることは困難である。)
   成鳥で保護された鳥の場合、適切な広さを持つ小屋であれば、この形態のリハビリが可能である。
   しかし、鳥の狩猟技術回復・獲得・開発は、鳥に任されるのみである。
   *小さな小屋での飼育の場合、放鳥の際には、クリアンス・フライトで長距離フライトが可能かどうかを確認しておくことが大切である。
   獲物を獲得するのに高度な飛行技術・狩猟技術を必要としない鳥種に適した訓練である。

 2)クリアンス・フライト訓練
   訓練者への馴化を行わず、クリアンス訓練を行い、体力を回復・増強させる手法である。
   ある程度の速筋・遅筋を増強することができるが、狩猟技術のスキル・アップを目論むことはできない。
   獲物を獲得するのに高度な飛行技術・狩猟技術を必要としない鳥種に適した訓練である。

 3)訓練者による飛行訓練
   獲物を自然界で獲得する能力を回復させたり、開発したりするためには、飼育訓練下で狩猟訓練を行う必要がある。そのためには、まず訓練者に「馴化」させる必要がある。
   訓練者へ「馴化」の後、「渡り訓練」「ジャンプ・アップ訓練」「ルアー訓練」「クリアンス訓練」「旋回訓練」「生餌訓練」などを経て、「狩猟訓練」へと移行する。
   訓練者が鳥の狩猟技術回復・獲得・開発を行うことができる。
   獲物を獲得するのに高度な飛行技術・狩猟技術を必要とする鳥種に適した訓練である。

 4)ハッキング訓練
   雛から保護された場合。

リハビリの様態
  1)雛の場合
    人間がインプリンティングされないように給餌の際に工夫が必要である。
  2)若鳥の場合
  3)成鳥の場合
  4)放鳥不可能な鳥の場合で、後に教育プログラム等へ参加する場合

 
訓練者によるリハビリ・トレーニング
  1)訓練者によるトレーニング
    ・訓練者への馴化
    ・飛行訓練
      ア)渡り訓練
      イ)ジャンプアップ
      ウ)ルアー訓練
      エ)クリアンス訓練
      オ)フリーフライト訓練
    ・狩猟訓練

       ア)生餌訓練
       イ)フット・スキル獲得訓練
       ウ)殺傷スキル獲得訓練
       エ)追跡訓練

放鳥の見極め、飛行評価
  1)クリアンス・フライト、フリー・フライト
     ・飛行技術
     ・筋力
     ・体力(持久力)
     
  2)狩猟
     ・追跡スキル
     ・フットスキル
     ・殺傷スキル

放鳥時期、季節
     ・餌の豊富さ
     ・渡りの季節を見据えて