ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー( Sugisaki )

[ファルコノイド 電話相談 選集]


【4月28日】

Q:
ルアートレーニングで、距離を伸ばすと反応が悪くなったり、近くまで飛んできてもターンしてしまったりすることがあるが、なぜか・・・?

A:距離を伸ばすと反応が悪くなるのは当然のことで、距離が離れると餌が発する視覚刺激が弱くなるからです。
 対策としては、
 @体重減
 A餌を大きくする
 B反応の良い距離から徐々に延ばしていく(条件付け強化)
などが考えられます。


近くまで飛行を行い、ターンしてしまうのは、
飛行移動に伴う新奇刺激の感受があるからです。
新奇刺激の感受により、餌刺激が隠蔽されてしまうのです。


http://www7.ocn.ne.jp/~falconoi/FalconryAcademy/goodresponse.htm

Q:「抜き打ち」用に作ったハヤブサに「旋回上昇・急降下型のハンティング」を学習させたい。
  その場合、「抜き打ち」のスキルは劣化してしまうか。

A:
訓練が終了し、ハンティング初期には、ハヤブサは「後に学習した型」を選択しようとしますが、
 ハンティング・フィールドの状況や獲物を観て型の選択をするようになるでしょう。(刺激弁別


【 2月 3日】

Q:鷹にとって、ルアーより生餌の方が刺激的なはずなのに、ルアーに良く反応する体重で
どうして野生の獲物にいかないのか。

A:
確かに、ルアーと生き餌を鷹の目の前に並べた場合、鷹にとって生き餌の方が刺激的です。
しかし、ルアーと野生の獲物を比べると次のようになります。

  ルアー    :苦労しなくても獲れる。
  野生の獲物 :ある程度追跡して苦労しなければ獲れない。

以上のことを刺激比較すると、

  [ルアーの刺激] > [野生の獲物の刺激−獲物獲得の困難性]
となり、

  [フライト・ウエイト] > [ハンティング・ウエイト]
となります。


【 1月28日】

Q:ハヤブサが急降下の後に波状攻撃をしないのですが、なぜですか。どうしたら波状攻撃をするようになりますか。

A:
ハヤブサが波状攻撃をしないのは、ハヤブサが容易く捕まえられるような鳩ばかりを使っているからです。つまり、ハヤブサが波状攻撃をするまでもなく、鳩を捕まえることができてしまうからです。
 ハヤブサに波状攻撃を教えるには、ハヤブサが波状攻撃をしなければならないほどの優秀な逃げ鳩を使わなければなりません。

Q:ハヤブサが空高く飛ぶようになりました。鳩への反応は良いのですが、ルアーへの反応が悪くなってしまいました。ルアーへの反応を良くするためにはどうしたら良いでしょう。

A:この段階でルアーへの反応をあまり求める必要はありません。ルアーへの強い反応を求めるということは空高く飛ばないハヤブサを作ることになってしまいます。
 ハヤブサが空高く飛ぶようになったのは、低く飛んでいては鳩を捕まえることができないからです。ルアーは、逃げたり飛んだりしませんから、ハヤブサがルアーを強く求めるようになったら、高度を上げる必要がな くなってしまいます。ルアーを強く求めるハヤブサは、空高く飛ばないのです。
 空高く飛ぶハヤブサに対しては、良く逃げる回帰鳩を出し続けることが大切です。

 どうしてもルアーで降りない状況であるならば、2羽目の回帰鳩をサーブしましょう。2羽目の回帰鳩を追跡した後はかなりの疲労をするので、鳩への反射が治まり、ルアーへの反射が起こるでしょう。
  

【 1月 6日】

Q:テレメトリーは、なぜ必要か?

A:@個人的:愛鳥を失うことを回避するため。
  A社会的:環境問題の生起回避のため。
          ・ロスト・バードによる自然界における「交雑・帰化・生態系への影響」の問題回避。 
          ・それに伴うフリー・フライト禁止、鷹狩り禁止、猛禽類輸入禁止回避。


Q:テレメトリーがあればロストはしないか?

A:テレメトリーがあってもロストはします。
  
初めてのロストの時に、有効なテレメトリーの使い方を知らずにそのままロストしてしまう方が多い
 ので要注意です。
  テレメトリーを購入したら使用法を知ると同時に、トランスミッターをフィールドのある場所に隠して
 「探索練習」を数回必ずやりましょう。回収率はかなり上がります。
  ハヤブサの場合、1シーズンでも数回の一時的ロストは当たり前です。ただ、テレメトリーの使う技
 術があれば、ほとんど回収可能なのです。


【 1月 3日】
Q:インプリントの チョウゲンボウを飼育、訓練しているのですが、旋回飛行してくれません。
  どのように訓練したらよいでしょうか。


A:インプリントの鳥は基本的には(ハッキングしていなければ)自然旋回しません。
  ブロックからフライトさせても訓練者の足下へ飛んでくるだけです。

 まず、ロング・ポールなどを使って、高い位置でのエア・キャッチを教えましょう。それができるように
なったらルアー・パスを繰り出して、徐々に旋回飛行することを教えます。まずは1周旋回できることを
教えます。1周旋回したら、ルアーをエア・キャッチさせましょう。それから、毎日、旋回の様子を観察し
ながら徐々に2周、3周と1周ずつ周回を増やしていきます。

 注意しなければならないことは、地面に降りてしまった鳥に対して、ルアーを与えてはいけません。
ルアーはエア・キャッチさせるか、地面でキャッチさせる場合も、鳥がランディングする前にルアーを地
面に置かなければなりません。

 では、なぜ、ワイルド・コートやペアレント・レアードの鳥は旋回するのか?
 こういった鳥の場合、自然界や大きなエイビアリーで旋回飛行を学習しているのと同時に、訓練者
にある程度の嫌悪性を感じています。その場合、鳥は訓練者からある程度の距離を保ちながら、ル
アーなどの餌が出るのを待つのです。それが旋回飛行という形になります。