ファルコノイド・ファルコンリー・アカデミー ( Sugisaki )

「伝統継承はなぜ必要か・・・・?」

 良く耳にするのが「伝統は途切れたら復活させることは困難だから・・・」というフレーズ。
しかし、これは、“理由”ではない。

「この伝統継承を通して、または関連して、社会貢献できるから・・・」というのも直接的理由ではなく、
付随的理由である。伝統を交えなくとも社会貢献は可能である。
古い伝統芸能の実演は、観客を歓喜させることができるが、それ以上のものではない。

では、何か・・・。

 伝統とは、人間が永い年月をかけて積み重ねた知的累積物・集積物、英知、文化である。
この知的累積物の深みは、人間の知的好奇心・探求心満足させることができ、
また、更に高揚させることもできるのである。
つまり、伝統とは、人間の精神文化を更に発展させる可能性を秘めているマテリアル(教材):学問
といって良いであろう。伝統継承の価値は伝統そのものにある。


 伝統とは、社会により淘汰されるものであるので、社会的強化随伴性が得られなければ、
消失してしまうものである。伝統を守るには、強化随伴性を得られるように精緻な分析を行い、
強化確立操作
を確実に行う必要がある。「現代に古いものを確実に残す」には、その必要性がある。

 国や県、町などから認知や支援を受けている伝統や、受けていない伝統があるが、
認知・支援を受けているものは社会的強化随伴性を獲得した結果と言える。
認知・支援を受けていないものは、綿密な分析の下、累積物・集積物の深みを効果的に
社会に提示し、知的価値を認知させる必要があるのである。


では、伝統を効果的に社会に提示し、強化を得るには・・・・?
 1)累積物・集積物の研究・検証・解明を行い、表層的・形式的ではない伝統継承を実現する。
 2)その研究結果を様々な形で効果的に社会に提示する。
 3)提示に対しての社会からの様々な反応を分析する。
 4)生起した様々な社会的反応を支援する。